バイオハザード0を一通り遊び終えたのでレビュー記事を書いてみる。
概要
バイオハザード1の前日譚に当たる作品。クリス・ジル達が洋館事件に巻き込まれる前のエピソードとなる。
プレイヤーはSTARS隊員レベッカと元傭兵ビリーを操り、化け物だらけの列車や建物からの脱出を目指す。
これまでのナンバリングで描き切れなかった部分が各所補填されており、1以降が既プレイであればより楽しめる内容。
バイオハザードにはじめて触れるのであればあまりお勧めできない作品でもある(後述)。
登場人物
レベッカ・チェンバース
1ではクリスのパートナーを担当した女性。回復役だった1とは異なり今作ではバリバリの戦闘員として活躍する…とは言うものの相方ビリーの方が戦闘能力が高いので積極的に戦わせることは少ない。
人気キャラなこともあってHDリマスターでは凄まじい数のコスチュームチェンジが可能となっている。
ビリー・コーエン
元傭兵の指名手配犯。ひょんなことからレベッカと行動を共にすることになる。
マッチョでタフガイ、武骨だが凛々しいーーーハードボイルドの王道を行く男。
レベッカよりも体力や銃火器の扱いに優れており、多くのプレイヤーがメインでお世話になるキャラクター。
もっと人気あって良いと思うの
アルバート・ウェスカー
バイオのボスキャラと言えばこの人。部下を裏切る前のお話なのでちょっとだけ登場。
ちなみにHDリマスター版のみだがクリアするとウェスカーで本編を操作できるウェスカーモードが出現する。
ウィリアム・バーキン
2で対峙することになるキーパーソン。本作は友情出演に近い。
良い点
リアルザッピング
2以来のザッピングシステムが久々の復活。本作はリアルタイムにザッピングが行われる。
具体的には主人公2人を並行して操作するというもの。操作できるキャラが常時1人選択され、もう片方はAIに任せる形になる。
操作キャラは特殊な場面を除きボタン1つでいつでも変更可。ビリーとレベッカでは能力や特性に違いが見られるので使い分けが求められる。
AIに指示出しが可能
AIにはその場で待機か一緒に移動するかボタン1つで指示を出すことができる。武器を装備させれば敵を見つけ次第自動で撃ってくれる。エイムも正確で心強い。
5のようなAIを想起されるかもしれないが、本作は戦闘に重きを置いた作品ではないため、AI側のキャラを丸腰にさせてもプレイヤーがちゃんと戦えれば全く困らない。
ただしピンチになったときに「自動で武器を装備して戦ってくれる」ということはないので不安なら装備させておくと良いだろう。
アイテムBOX廃止&「置く」システム導入
本作ではコードベロニカまで受け継がれていたアイテムBOX制度が廃止されている。
その代わりとして登場したのが「置く」システム。その名の通り床にアイテムを直置きすることができる。置いたアイテムは部屋を移動しても残り続けるので必要に応じて拾うことができる。
王道の恐怖表現
リメイク1と同様かそれ以上の美麗グラフィックで描かれる怪物たちとの戦いはまさに王道ホラー。
BGMも良い意味で気味が悪かったり、恐怖を煽ってくるものが多くバイオの世界を盛り上げてくれる。
クリア後やおまけ要素が豊富
コスチュームチェンジはもちろん、おまけ扱いだがミニゲーム「リーチハンター」はかなりの歯ごたえ。
当ブログではリーチハンターを最高ランクで攻略する記事を用意している。煮詰まった際は利用してみて欲しい。
無限武器や銃火器の種類もまずまずの多さで長く楽しめる。
悪い点・賛否両論点
NORMAL・HARDの難易度が高い
通常モードに当たるNORMALではじめると、最初は難易度の高さに驚くことだろう。
敵の配置に対して入手できる弾薬が少なく、敵の弱点やよけるべき敵がわからないと膨大な弾を浪費し枯渇することが多い。
強制戦闘となる敵はいずれも強敵ぞろいでパターン化が難しい。インフェクティットバットや女王ヒルに苦戦された方は多いのではないだろうか。
当然ながらHARDはそれ以上の鬼畜ぶり。当ブログではHARDをSランクで攻略することを目標とした記事もあるので参考にしてほしい。
なおEASYではじめればこの問題は解消される。かく言うGENも最初はEASYでスタートしバイオ4以降のように敵全てを倒して行く殲滅プレイで進めたのだが、それでも大量に弾が余ってしまった。
不安であれば最初はEASYで道や敵を覚えることからはじめると良いだろう。
置くシステムのとっつきにくさ
アイテムBOXを経由する必要性がなくなった分、無計画に置くと後々取りに行くのが大変になる。どこで何を使うかわからない初プレイには酷なシステムとも言える。
初心者あるあるは新しいエリアに入って安全地帯を見つけたら、そこにアイテムを置きまくり疑似アイテムBOX部屋にしてしまうというもの。GENも最初はそのひとりであった。
しかし、このシステムに慣れるとアイテムBOXがないことによる快適さを感じることができる。
慣れるまでに時間はかかりますが、楽しい!
リアルザッピング制の功罪
「2人分のアイテム・体力・場所 を常時管理しなければならない」という形式そのものに最初はどうしても煩わしさを覚える。
必要なアイテムを遠い位置の相方に渡しっぱなしにしてしまったり、敵の攻撃を2人同時にうけてしまい回復アイテムが2人分必要になったりなど。
しかしアイテム欄を2人分ーーーつまりは6×2=12個所持できる点を考えると過去作よりもゆとりがある。
また今作のシステムを利用した細かいテクニックも誕生した。
ドア付近に片方を待たせて置きやることを済ませたらプレイキャラを変更して素早くドアに出ることでショートカットしたり、ボス相手には強力な火器を2人がかりで連射し火力倍増を図るなど使いこなせばメリットも多い。
組合せシステムの謎仕様
ハーブを拾う際は、アイテム欄が埋まっていたとしてもその場で使ったり調合が可能。
しかし弾薬や火炎瓶などの武器やキーアイテムは拾ってその場での組み合わせが不可能。原理的にはできそうだが・・。
問題児「フックショット」
序盤で入手するキーアイテムなのだが、アイテム欄を2マス要する上に使ってもアイテム欄からは消えずゲーム中盤まで出番があるという厄介な代物。
初プレイでは当然手探りなので、クリアまで持ち続けてアイテム欄が圧迫され続けたという方も多いのではないだろうか。
また最後の出番が終わっても「このアイテムはもう必要ないようだ。捨てますか?」の選択肢は出ない。
一部整合性が取れない展開がある
ネタバレにならない範囲でエンディングを述べると「ビリーとレベッカは無事恐怖の怪物たちを退けました」である。ビリーと別れたレベッカはその足で1の洋館事件に巻き込まれる。
しかし1のレベッカは0で拾ったはずの武器・アイテムがなくなっており、ハンターを見て腰をぬかすなど0での勇ましさが完全に失われている(クリスに甘えたかったのかもしれない)。
アイテムBOXの廃止、置くシステム、2人主人公を同時に動かすなど様々なチャレンジが施された新鮮な一作。その分初心者にはとっつきにくい内容も多いが、バイオファンなら一度はクリアしておきたい作品である。