コーエーテクモゲームスからPS3 WIIUで発売されたアクションゲーム。NINJA GAIDEN 3の改良版・完全版にあたる。
無印3が酷評だったことからあまり評価されていないが最高難易度 ULTIMATE NINJA までクリアした感想をつらつら述べてみる。
なお前作、前々作の概念や用語が多数登場するので未プレイの方や未読の方は以下とセットでお読みいただきたい。
登場人物
リュウ・ハヤブサ
超忍ーーーだが、前作までと若干キャラ変更で多弁になった。キャラ性能だけ見るとハヤブサの里の女性陣に性能負けしている感。
ミヅキ
自衛隊の人。一応ヒロイン。
あやね
紫が基調の蘭ねーちゃん。2に引き続き、準主人公扱い。ぶっちゃけた話リュウより有能で扱いやすい。
紅葉
ストーリーに食い込む形での操作はできないが、一応2に引き続きプレイアブルキャラ。衣装は黒多めでちょっと忍びっぽさ多めに変化。
アイリーン
あやね編で声のみ登場。FC「忍者龍剣伝」ではヒロイン枠だった。
アレクセイ・エリザベート etc
一応出ます。必須攻略ではないが強すぎます。というかこっちが弱すぎます。
良かった点
ロード時間の短縮
死にまくって何度もやり直すことになること必至の当シリーズだが、今回はゲームオーバーになってから再開するまでロードが最も短かった印象。ある意味今作で最も評価できる点。
リアルタイムのストーリー演出
主人公はパートナーと通信するシーンが多く、これは戦闘中も続く。
敵を殲滅しながらも雑談するというゲーム演出が多くなっており、邪魔にならない程度に会話内容が画面下に表示される仕組み。バイオハザード5のシェバ・クリスのような会話を電話で行うイメージだ。
断骨の登場
相手の強攻撃にこちらの強攻撃を重ねることで発生する無敵カウンター。雑魚であれば一撃、ボスには大ダメージを与える。
雑魚には連続して決めることができ、難易度が上がるほど使用頻度が増す。残虐ながら派手な演出は人を選ぶが個人的には好き。しかし後述する問題点も…。
あやねの進化
Σ2に引き続き、ストーリーにあやねを操るパートが2つある。絶技が大幅に強化され、最高難易度でも絶技だけで雑魚を仕留められるようになった。
操作感覚は前作よりも快適で、リュウより圧倒的に機敏(というかリュウが遅い)。個人的にはリュウより扱っていて楽しいキャラであった。
プレイキャラの増加
前作・前々作のレイチェルはリストラされたが、あやね、紅葉、同社作品DOA(デッドオアアライブ)からかすみが参戦(ストーリーモードでは遊べないが)。
本編をリュウで突破したステージを彼女達でプレイが可能に。Σ2ではあやねステージはあやねのみ、リュウステージはりゅうのみといった縛りがあった為、これは嬉しい仕様変更と言える。
悪い点・賛否両論点
残虐表現の増加
カメラに飛び散るほどの血しぶきが平然と画面上に舞い、雑魚戦を終えると大体キャラクターが血まみれになっている。前作でも四肢がもげたり武器に血がつくといったのグロ表現はあったが、赤色が紫色だったりマイルドさも兼ね備えていた。
緊張感演出の一環と思われるがここまでの表現は好みが分かれるところ。
理不尽な難易度上昇
難しさもウリのニンジャガシリーズだが、今作は運要素が強く絡む。たとえば敵が隙の大きな攻撃をしてくるかどうかやこちらの攻撃を回避せず素直にくらってくれるかどうかなどで生死が決まる場面が多い。
難所を突破したときに「腕が上がったから突破した」よりも「運が良かったから突破した」という感覚になりやすく、達成感が薄い。
回復アイテムの廃止
断骨を決めるか、忍法を当てるかセーブポイントでの全回復以外に原則として回復手段が存在ない。ライトユーザーにはより厳しくなった。
回復アイテムありきのΣ、Σ2を一周してから3REをやろうとすると地獄を見る。
まともに戦う選択肢の少なさ
雑魚のガード・回避率が高すぎるので、適当に□や△を振り回すだけではまともに進めない。ここだけなら骨太アクションぽいのだが、リュウ側の弱体化が爽快感を激減させている。
イヅナ落としは最弱雑魚以外高確率で初段を回避されてしまう。捌きはたまたま決めることすら稀なほどかわされる。首切り投げも難易度が上がると隙を作るだけの死に技と化す。
確定で当たる絶技と断骨には必然的に頼ることになり、多様なプレイスタイルが可能だった前作から自由度は大きく下がっている。前述の運要素絡んで爽快感のなさに拍車をかけている。
強い武器の偏り
大鎌は回転△、着地回転△に長い無敵があり、モーション中にも断骨が可能。断骨の射程も長い為、強化すると非常に心強い。
新月棍は絶技で雑魚が高確率で欠損する為、そのまま滅却に繋げることで安全に忍法ゲージを稼げるお得な武器。□△の切り上げが他の武器より決まりやすいのも強み。
他の2つの武器に関しては管理人は最高難易度でほぼ使わなかった。というかこの2つが強すぎて、他の武器が霞んでしまった。
QTEの多さ
ムービー中や戦闘中にいきなり画面にボタン入力指示が出るあれ。無印と比べて減ったらしいのだがそれでも多い。バイオ4程度の量・タイミングであれば良いトッピングなのだが。
錬金兵の異様な強さ
回避率はトップクラスで、弱攻撃・弓を弾き返すシールドを生成する。連鎖断骨は狙えず、耐久力もボス以上なため長期戦となる。
どう考えてもトランプで言うところのジョーカー扱いだがステージ2から3体同時に出現。キャラも育っていない段階でこの強さは完全にバランスブレイカー。初見プレイでここで詰んだ人は多いと思われる。
棒のレベル1絶技を当てる→シールド生成中に絶技を溜めてまた当てるを繰り返す戦法が有効。最高難易度ではステージ1から登場するが、管理人は全てこれで対応した。
エッセンス・絶技引導の廃止
絶技は撃てるものの、エッセンス概念がないため絶技引導はできない(戦闘中に武器が赤くなると即フルチャージできるが、タイミングはこちらで選べない)。
手裏剣・弓で動きを止めつつ裏風ジャンプで距離をとり着地絶技という過去作のスタイリッシュな場面が激減。また、回転絶技もなく各武器絶技は1つずつ。
多弁になったリュウ&相変わらずなストーリー
戦闘中以外寡黙な主人公がムービー中もぺらぺら喋るのは過去作と比較すると違和感。兵器が相手だったり怪物が相手だったりと、一貫性のないご都合主義なストーリーは相変わらず。とはいえGENは2週目以降はムービーは飛ばしてアクションに集中する性質なのでそこまで気にはならなかった。
3REの1つ前(無印3)は滅却がそもそもなかったりQTEがRE以上に多かったりと荒削りなところが目立ち、売れ行きも芳しくなかった。改良版となった今作はそこまでひどくはないものの、Σ2と比較すると残念な点はぬぐえない作品である。
最高難易度までやりたくなる面白さはあったのでΣ2までの基本システム(絶技引導・回転絶技・イヅナ・首切り投げなど)は踏襲しつつ深みあるアクションゲームを4に期待したい。
管理人のやりこみ度
・Ultimate Ninja(最高難易度)クリア
・Ultimate Ninja 主要ボス ノーダメ撃破
操作性:★★★☆☆
ストーリー:★★☆☆☆
音楽・SE:★★★★☆
グラフィック:★★★★★
ロード時間:★★★☆☆
総合難易度:★★★★☆
やり込み度:★★★☆☆