コーエーテクモゲームスより発売されたPS3アクションゲーム。
前作NINJA GAIDENΣ よりも難易度は相当低下しており、ニンジャガ未経験者にもおススメの作品。前作同様主人公リュウ・ハヤブサを操り敵をばっさばっさと倒していく。
トンファー、鎖鎌などの新武器に加え絶技モーションがより強化され戦闘を盛り上げる。
前作の概念・用語が多数登場する記事なので、未プレイや未読の方は前作レビューとセットでお読みいただけると幸いだ。
登場人物
リュウ・ハヤブサ
ご存知超忍。絶技・弓が強化され前作よりも使いやすくなっている。
あやね
空手部主将、都大会優勝。めでたくプレイアブルキャラクターに昇格。
紅葉
ハヤブサの里の巫女。巫女だけに弓と薙刀が似合う。
孫悟飯に舞空術を習った女の子。声に反してえげつない戦い方をする。
レイチェル
前作に引き続き参戦。前作の(ムービー中以外役に立っていなかった)ワイヤーを捨て、
マシンガンに持ち替えている。
絶技の威力は落ちているが、マシンガンがやたら強い&無敵時間ある技が増えたので総合力はUPしている。
マルバス
前作にも登場した羊顔のボス。部下召喚能力以外特段強化されていない不遇キャラ。
エリザベート
前作のアルマ枠。色々な意味で今作最強ボス。
反則カメラワークと回避能力の高さでプレイヤーを苦しめる。即死攻撃の多い超忍では初見屍の山を築く。
幻心
武士道キャラを絵に描いたようなボス。必殺技はアバンストラッシュ。
良いところ
ロード時間短縮や各種ユーザビリティの向上
前作Σに比べてロード時間が格段に短くなった。急にロードが入る仕様は変わっていないのは残念だが、死にゲーでロードが長いのは苦行を超えた苦痛なので地味ながら大きな改善点のひとつ。
セーブが非常にスムーズでセーブ忘れもほぼない為、「こんなとこからやり直しかい!」といったストレスを感じることは前作ほどはなくなった。
各種能力アップアイテムは自動使用してくれるようになった。例えば9個集めることで体力の最大値が上がる神命珠は前作までは9個集めた後でアイテム欄から9回使用する必要があったが、今回は9個揃えるだけで自動的に体力が上昇する。
2つの理由で難易度がマイルドに
難易度低下の原因は大きく2つある。ひとつは敵のディフェンスが下がっている点。これにより前作よりもごり押しで戦えるようになった。
例えば雑魚敵をほぼ確実に葬れるイヅナ落としだが、前作は初段の□△切り上げですら空振りやはじかれることが多かった。むなしく宙を舞い、迎撃されて死んだ忍びも多いことだろう。しかし今作では△のみ当たる位置で出せばまず決まる。
突進技の飛燕は武器によっては敵がいなくても撃てる。また飛燕に対してカウンターしてくる敵もいなくなり使いやすさと爽快感が向上した。
難易度低下原因のもうひとつはセーブポイントでの自動全回復機能や戦闘終了後一定値まで自動回復機能という諸々の回復要素。被ダメの多いこのシリーズでは大きな難易度低下調整と言える。
欠損概念の強化と滅却の追加
前作ではクリティカル扱いの首欠損のみだったが今作では欠損の概念が更に細分化された。
首欠損は前作と変わらず一撃で倒せる効果がある。手や足を欠損させると部位欠損としてまだ敵は生き残る。
欠損状態の敵の近くで△を押すことで無敵時間のトドメ技「滅却」が出る仕組みとなった。
欠損状態の敵は動きが散漫になる代わりに自爆など強力な技を使う。欠損→滅却へ隙なく移行できる技量が求められ、ゲーム性が向上した。
個々の技に欠損率が設定されている為「この敵は体力が高いので欠損率の高いこの技を当てよう」といった戦術によりやりこみ度も増している。
絶技モーションのかっこよさが強化
エッセンスを吸ってチャージする前回の基本仕様はそのままにモーションが強化された絶技は今作の目玉といえる。連続で絶技を決めていく爽快感は他では味わえぬ醍醐味。
武器の増加
武器は既存のものに加えて、トンファー・鎖鎌などさらに多彩に。
それぞれ性能が個性的で魅力的。個々に有効な場面が用意されておりクリアまで一切使わない方が得であるようないわゆる捨て武器がないのも魅力。
もちろんお気に入りの武器ひとつで最後まで戦っていくことも技術さえあれば可能。やりこむうちに愛着が沸いて行くことだろう。
△(強攻撃)ボタンは前作では1発目に出すとタメ攻撃(絶技)しか出なかったが、今作では△始動のコンボも追加されており攻撃のバリエーションが増した。
飛び道具の常時無限化&性能強化
前作では弓をはじめとする多くの飛び道具に15発の弾数制限がかかっており、自由に撃つことが難しかったが今作では手裏剣感覚で撃ち放題となっている。
さらにリュウ本人の腕前が別人の如く進歩しており、前作ではまず当たらなかった遠方の敵に対してもこちら側が何もせずとも自動照準でヒットさせてくれる。
前作でリュウのコントロールの悪さに苛立ったプレイヤーにとっても嬉しい仕様変更と言えよう。
操作可能キャラの増加
前作のレイチェルに加え、コメンテーター役だったあやね、巫女なのに強い紅葉とリュウ以外に3名女性が参戦。
レイチェルは前作なかったことにされた飛び道具ワイヤーがリストラされマシンガンに。無敵技も増え使いやすくなっている。
あやねは二刀小太刀と爆破手裏剣を駆使して手数の多さで戦うリュウ以上のスピードキャラ。火力の低さを手数と欠損率で補う。
紅葉は薙刀と巫女らしく弓と薙刀を使う。唯一二段ジャンプ可能で空中絶技も放てるテクニカルキャラ。
…と、それぞれきちんと能力の差別化がなされており個性に溢れる。ゲームとしての基本は同じながら違った操作性を楽しめる。
チャプターチャレンジモードの追加
各チャプターはクリア後にスタート画面から再挑戦が可能になった。武器は限界値まで鍛えられた状態なので武器性能や立ち回りを研究するのにもってこい。
悪いところ・賛否両論点
チャプターチャレンジの不備
チャプターチャレンジそのものはありがたいのだが、敵が弱体化している点が多い。
たとえばストーリーモードでの超忍の道、紅葉とあやねパートはMAX絶技を当てても雑魚一人倒せないのが基本仕様だがチャプチャレでMAX絶技を当てると普通に倒せてしまう。
また使用キャラはそのチャプター準拠のため、ストーリーモードでリュウで挑んだステージをレイチェルで遊ぶといったことはできない(プログラム的にはできそうだが)。
ダメージ量・即死の増加
難易度は下がっていると書いたが、高難易度ほど敵の火力の高さと即死に悩まされる。
最高難易度「超忍の道」では雑魚敵の各種投げがほとんど即死で、ボスに至っては掴まれた時点で長いモーションを見せられゲームオーバー画面までを延々と見せられる。ぎりぎりの緊張感を追求したとも取れるがここまで多いとホラゲーである。
実際GENもプレイ中はひとりごとで「怖えぇ」と連呼していた。即死の恐怖と常に戦うゲームである。
やっぱり悪いカメラワーク
前作よりも全体的に見晴らしの良いステージが多いがそれでも戦闘中にカメラが気になる場面は多い。
高難易度になればなるほど、画面に映っていない敵がどう動いているかも見越して闘うスキルが求められる。
特にボス戦のカメラワークがひどく、エリザベートやゼドニアスといったやたらと動き回るボスキャラ最大の武器はカメラである。
ミッションモードの無理ゲー感
おまけ要素のひとつとなっているミッションだが、今作では2人同時プレイ可能なチーム制となっておりネットにつながなければNPCが片方の操作を操作する。
このNPCが悲哀を感じるレベルで弱く、高難易度では開始直後に死んでしまうので実質ソロミッションとなる。ただミッションそのものは2人同時プレイを想定しているので、ネットにつないで有志と協力プレイでもしない限りクリア不可能とまで言われている。
またせっかくスタイリッシュに絶技を連発したくても相方にエッセンスを奪わてただの微タメ△が暴発するという珍事も。
前作よりも様々な改良がなされ遊びやすくなった骨太アクションゲーム。ぜひプレイして頂きたい。
管理人のやりこみ度
・ストーリーモード 最高難易度(超忍の道)クリア
・超忍の道の主要ボスノーダメ撃破
操作性:★★★★★
ストーリー:★☆☆☆☆
音楽・SE:★★★★☆
グラフィック:★★★★★
ロード時間:★★★☆☆
総合難易度:★★★☆☆
やり込み度:★★★★★