「どうして子供は勉強しなければならないの?」
子供にこう尋ねられたとき、あなたはどう答えるでしょうか。
今回はGENなりにこの質問に答えてみます。鍵はお金にまつわるお話---投資が握っています。
良い投資と悪い投資
投資とは何か
投資とは金融・経済用語として捉えると「利益を得ることを見越して事業などにお金を出すこと」となります。
株や投資信託、家を購入するなど利益を得ようとする行為全般は投資と考えてOKです。
投資は早いほど効果が高い
今回最もお伝えしたい内容を先に言ってしまいましょう。
投資で最重要なのはスピードです。
銀行に預けておくと利子がつきます。利子が大きい時代は銀行にお金を預けることが一大投資となっていました。
計算しやすいように90年代の利子で考えてみましょう。このころは10年で元本が倍になるとされていました。
10歳の少年が100歳まで1万円を預けたとすると、お金の増え方は以下の通りです。
10歳 1万円
20歳 2万円
30歳 4万円
40歳 8万円
50歳 16万円
60歳 32万円
70歳 64万円
80歳 128万円
90歳 256万円
100歳 512万円
これに対して80歳の老人が100歳まで1万円を預けたとします。同じ理屈で以下のようになります。
80歳 1万円
90歳 2万円
100歳 4万円
同じ1万円を投資したにも関わらず、500万円以上の差が生まれています。これは10歳の少年の方が先に投資を始めたからです。
最強の投資は「自己投資」
自己投資とは
自己投資は読んで字の如く己に対する投資です。後々に得をする目的で自身にお金を投じておくわけです。
エステに通ったりトレーニングジムに通ったり外見を美しく見せることはもちろん、勉強にいそしんだり塾や学校へ通い新たなスキルを身につけることも自己投資の一環です。
自己投資はお金以外でも可能
自己投資が他の投資と違う点があります。それはお金以外も対象にできる点です。
具体的には時間や労力と言った概念です。お金・時間・労力の3つをまとめてコストと呼びます。
投資の本質はコストを投じることであり、必ずしもお金である必要はありません。
返ってくる利益も必ずしもお金である必要は無いのです。
たとえば以前お話した「家賃の正しいかけ方」では自己投資として家賃にお金をかける方法をご紹介しています。
これも直接お金が戻ってくるわけではないですが、王道の自己投資と言えるでしょう。
自己投資は一生もの
サラリーマンで「自己投資」と聞くだけでアレルギーを起こす人がいますが、最強の投資は間違いなく自己投資です。
例えば知識・経験に投資することはそれだけでその後の人生が豊かになります。
専門分野の視野が広がればそれだけプロと交流がしやすくなります。
知識・知見が深い人を嫌うプロはいません。知ったかぶりで話しかけてくる人と正しい知識を持って話す人では雲泥の差があります。
得られた専門知識を生かして収入を増やせる可能性も出てきます。
健康への投資も効果が高いです。毎日節制したり体を鍛えるなどが継続できる人は年をとっても相対的に健康です。
医療費がかかりにくくなり、大病を患いにくくなります。
人生の貴重な時間を減らす可能性が減り、肉体的ストレスも少なくなります。
このように自己投資によって得られた能力はその後の人生でずっと活躍してくれる素晴らしい力なのです。
子供が勉強しなければならない理由とは
冒頭に戻ります。「どうして僕らは勉強しなければならないの?」と子供に尋ねられたとしてそれに回答しましょう。
今回の内容を踏まえて答えを2つ挙げてみよう。
ひとつは「勉強は『自己投資』という最強の投資だから」、もうひとつは「投資は早いほど良いから」です。
先ほどは銀行を例に出したが、次は勉強を例に出します。勉強によって培われたスキルの一例---今回はシンプルに英語とします。
英語は5年間で習得でき、寿命は100歳。この条件で10歳と80歳を比較します。
15歳 英語習得
100歳 他界
85歳 英語習得
100歳 他界
どちらも5年間で英語を習得した点は同じですが、その後の人生に明確な差がありますね。
前者は残りの人生が85年あるのに対して後者は残り15年しかありません。
これはAが英語を使える期間が85年あるのに対して、Bは15年しかないことを意味します。
銀行の利子とまったく同じで、投資を始めたタイミングが早い分だけ恩恵に差が出ています。
これが子供が勉強しなければならない理由の証明です。
折角自己投資して能力を高めるなら、それはなるべく長期間使えた方がオトクであるというわけです。
その意味でも子供への教育は極めて慎重に行わなければならず、一生使える知識・技術に絞って叩き込む必要があります。
そう考えると学校教育は果たして優れた自己投資となっているのかは甚だ疑問です。
なおこの記事は老いてからの投資を否定するものではありません。
あくまで使える期間に焦点を絞れば若いときの投資ほど単純に有利であるという客観的事実をまとめたものとご理解ください。