plague inc evolved はsteamで発売されているシミュレーションゲーム。
PC版、スマホ版が発売されている。
先日最高難易度超Hardでの攻略を終えたので、このブラックながら奥深い作品を深堀りしていこう。
概要
基本設定
プレイヤーはひとつの伝染病となり、人類を滅ぼすのが目的となる。
プレイヤーの選択権は少なく、一度方針を決めたらしばらく放置して感染を待つ。
難易度は4段階で、Easyでは誰も手を洗わないので簡単に感染するが、超Hardになると研究医自ら出資するレベルになる。
ゲームの流れ
プレイヤーは世界地図の画面から1つの国をクリックしそこから感染をスタートさせる。
以降はゲームを進めると得られるDNAポイント(いわゆる経験値)を獲得して病原体を強化していく。
感染力が広まり、全世界の住民を死滅させれば勝利。
途中でワクチンを開発されるか、感染する人間がいなくなる(都市封鎖などで新たな感染経路が失われる)
良い点
ちょいちょい挟まるブラックユーモア
ダンジョンキーパーやシンジケートといった往年のブラックユーモア溢れる海外ゲームの雰囲気に溢れている。
人類が油断してリオ・オリンピックが開かれたり、国民がハグをするイベントが起きた後に一気に感染が拡大したりと社会風刺の要素も強い。
逆に言うとこのノリが苦手な人には合わないゲームである。
疫病の恐怖を味わえる
感染が拡大した地域は画面が真っ赤に染まっていく。
悲壮感漂うBGMも相まって人類が滅亡する様子を神目線で味わうことができる。
感染が拡大した国では人間を処分する演出まであり、ある種ウイルスよりも猟奇的な人間の姿が垣間見える。
また、難易度選択画面では人類がどれほど策をしてくるかの説明文がある。
Easyでは「手を洗わない」、超Hardでは「定期的な血液検査」となっておりここまで極端に書かれると清々しさを覚える。
後半のウイルスは別ゲーとして楽しめる
ゲームを進めて行く後半のウイルスほど非現実的な設定。
人間をゾンビ化させるネクロアウイルス、猿を感染させて軍団を組織できる猿インフルエンザなど別作品とのコラボも多い。
人類もワクチン研究以外の対策として軍や自衛組織を結成するようになるため、プレイヤーは軍事的に衝突しつつゲームを進めて行くことになる。
こういった特殊ウイルスは純粋な感染ゲームに単調さを感じてきたころに解禁される。
プレイヤーを飽きさせない工夫が凝らされており素晴らしい。
悪い点・賛否両論点
強化の効果説明が曖昧
ウィルスを強化する場面では生々しい説明文でウィルスの怖さが強調されている。
この文章そのものは非常に秀逸だが、具体的にどの性能が強化されるのか明記されていないものが多い。
一応画面下にパロメータのバーが3つあるのでそこを基準にすることはできるが、隠れパラメータもいくつかあるので完全ではない。
ある種初見殺しだらけのゲームとも言える。
なお、最高難易度での各ウイルスにおける攻略法は別記事参照。
一部ウイルス強化が極端に強い
空気感染、水感染、鳥感染を序盤に強化すれば低難易度では大体勝ててしまう。
逆にこれに気づかないと延々と苦戦を強いられる。
一部現実味に欠ける
リアルなパンデミックを味わえる本作だが、一部ゲームシステム優先の箇所がある。
例えば一度感染者にになった人間はワクチンが開発されるまで絶対に健常者に戻らない。
基礎疾患持ちや免疫のない者から優先的に死ぬーーーといった描写はなく、人類全員が同じ抵抗力であることを前提に作られている。
画質や映像美を求めると肩透かし
世界地図のマップを見つつ、細かい操作をしていく本作には魅力的なキャラクターや派手なエフェクトは存在しない。
グラフィック目当てにプレイするとイマイチな印象を受けやすい。
ただ、このシンプルな画面こそシミュレーションゲームの王道とも言える。
ビジュアルではなくゲーム性で勝負していくスタンスは賛否割れるところですが、GENは好きでした。