硬派忍者ゲーの王道!PS2ソフト shinobi をレビューしてみた

SEGAより発売されたPS2のアクションゲーム。忍者アクションは難しいイメージがあるかもしれないが、その通り難しい。

概要

現代東京に突如出現した「黄金城」ーーーこの城から式神と呼ばれる怪物たちが放たれ東京は戦場と化してしまった。

プレイヤーは朧一族の党首「秀真」を操り、式神を退けつつ黄金城を目指す。

登場人物

秀真(ホツマ)

主人公。やたら長い赤いマフラーが特徴的な忍。ただこのマフラーのおかげでアクションのカッコよさが増してたりする。

朱刃(アゲハ)

一応ヒロイン枠。たびたび忘れたころにムービーで登場する。

ベニスズメ

初心者殺しその1。中盤のボスなのだが、おそらくここで投げた人多数。

ヒルコ

ラスボス。行動パターンが多くむちゃくちゃ強いが、慣れると戦っていて楽しい良ボス。

良い点

ファミコンばりのシンプルなゲーム構成

ステージ制がとられており、道中死んだらステージ最初から。「ここまで進んだので一旦セーブ」といった行程は出てこない。

スタートボタンを押しても表示されるのはポーズの文字だけ。アイテム欄やステータス欄といった概念も存在しない

極めつけとして主人公はゲーム中ほぼ成長しない。忍法や手裏剣も道中拾えるアイテムで使用回数は増えるがストック限界は増えない。

よって難所はキャラの成長ではなくプレイヤーの腕で突破するしかない。ファミコン時代のアクションゲームを想起させる内容。

王道の格好良い忍者主人公

主人公・秀真はリュウ・ハ○ブサと系統の似たクールな忍者。言葉は少ないものの要所要所で叫ぶ。

設定も切なさ満載で悲劇の主人公感が強い中、冷徹に任務を遂行していく様は男前。

モーションもよく作られておりエフェクトはいちいちスタイリッシュ。

残像を残すステルスダッシュは敵が残像に向かって攻撃する特徴を持つ。手裏剣は敵を動けなくする優秀な飛び道具、エリア全体に放つ八双手裏剣は消費も早いがより優秀。ほかにも壁走り二段ジャンプ赤オーラを纏う突進など忍者らしさにあふれた技が揃う。

操作性も抜群で遊んでいてキャラクターの動きにいらいらすることはほぼない。あるとすれば自身の腕不足くらいか・・。ムービー中より機敏な彼を見て驚くこと必至。

和洋折衷な良BGM

ステージごとに別々のBGMが用意されている。個人的にはステージ2が好き。

雅楽の音が聞こえたと思ったら電子音と混ざったりと一見マッチしにくそうな曲調が多いが、見事に融合しゲーム盛り上げに貢献している。

ちなみに死んだときのBGMは琴の単音、切ない。

絶妙なバランスの悪食と殺陣システム

主人公は妖刀・悪食と呼ばれる武器で最後まで戦う。この剣は敵を倒すほど攻撃力が増し、刀の色が青→紫→赤と派手になっていく。赤になるとボスですら1撃で倒せる威力を持つ。

一方で敵を倒すことによって得られる魂アイテム「ハク」が不足すると悪食の力で主人公の体力は徐々に減っていく。よってプレイヤーは素早く敵を倒し、ハク不足を防止しなければならない。

1戦闘ごとに敵の数は固定されており全員を一定時間内に倒すと殺陣と呼ばれる派手な演出が入る。殺陣が決まると大量のハクが手に入りしばらくハク不足には悩まないので基本は殺陣を狙って進めていく形になる。

悪い点・賛否両論点

わちゃわちゃした世界観

現代東京が化け物だらけになり内閣も終わっちゃったので忍者がんばってというストーリー。

好きな人は好きだろうが、突っ込みに疲れる人にはつらいかもしれない。

じっくりプレイしにくい悪食・殺陣システム

素早く敵を斬り続けなければならないゲーム性からとっさの判断能力が求められる仕様。

また常に敵を倒し続けなければいけないことは探索すら急がなければならないことと同義。
隠しアイテムや次に進むべきルート(基本一本道だが)を探すときものんびりはできない。

一方で少し探索すると回復アイテムが入手できたりすることが多い(スタッフの配慮か?

その回はあきらめて死に、その知識を次回に生かすという正にファミコン型プレイが基本となる。

敵の強さとガード率の高さ

中盤以降的は正面から攻撃すると頻繁にガードしてくる。ガードされてこちらの体勢が崩されたところにぼこられることもしばしば。

特にステージ4に登場する忍犬は全ステージ中屈指のガード率を誇る作中最強の雑魚敵。中盤でこのクラスを出すあたりはバランス調整はきつめと言える。

即死・ダメージ床の多さ&セーブポイントの少なさ

落下死や溺死といった即死エリアに加え、触れただけでダメージのダメージ床も多い。

オープニングでヘリから落下して潜入するというスタイリッシュな登場シーンがあるのだが、序盤の高層ビル上のステージでビルの谷間から落ちると即死である。このように見た感じ平気そうでも死ぬので初見にとってはかなり理不尽。

道中のセーブポイント(チェックポイント)は1ステージ2箇所しかなくフィールド面・ボス面それぞれの手前のみ。つまりボス直前のフィールド面で死んでもフィールド面の最初からとなる。「せっかくココまで進めたのに~!」と憤慨することは必至。

足場の悪いところで命知らずの雑魚敵と秀真がセットで落ちていく様は涙を誘う。