中世ヨーロッパを髣髴とさせる世界観。ステージを攻略したらその都度拠点に戻ってくるシンプルなゲーム性ながら難易度は非常に高い。
鬼畜ゲー、マゾゲーと呼び声の高い当作品ーーー様々なレビューがネット上に溢れているが、共通するのは難易度は勿論他の分野でも「人を選ぶゲーム」だったということ。GENもまたそう感じたひとりである。
なお発売当初はオンラインプレイが盛んでそこへの評価が高かったが、GENはオフライン環境のみの為オンライン関連のレビューは割愛させていただく。
良い点
独特の緊張感と難易度を演出する戦闘
多数の初見殺しに加え数々の強大な敵が襲い掛かる。しかしそれ以上にプレイヤーを苦しめるのはゲームシステムにある。
例えばアイテム欄を開こうがPSボタンを押そうがゲームは進む逃げ場のない仕様。
キャラクターは行動するたびにスタミナを消費していく。スタミナがなくなるとしばらく無防備となってしまう(スタミナは時間で自動回復)。敵の攻撃をガードするなどの行動もこれに含まれるので、ただガードして固まっていれば良いわけでもない。
敵の行動パターンや建物の配置を先読みして行動するプレイスキルが常時求められる。
何度でもやり直したくなるソウル体システム
プレイヤーは死ぬとソウル体と呼ばれる半死状態となり、体力が半分になって拠点に戻される。そしてその際に経験値やお金の概念であるソウルが0になってしまう。
ただ、このソウルは死亡地点まで戻ると回収することができる。死んだところまでのやり直しを何度も行う羽目になるので、嫌でもプレイスキルが上がっていく(上げざるを得ない)という憎いシステムとなっている。
キャラメイキング・成長自由度の高さ
顔グラフィックは細かい部位から自由に選択できる。性別に加えて「生まれ」(職業のようなもの)も選択可能で、初期能力値はここで決まる。時間をかけて愛着の湧くキャラクターを作成するのも一興。
能力はレベルアップのたびに好きなパラメータを成長させることができる。ウィザードリイや女神転生を髣髴とさせる昔ながらのシステム。
レトロゲーマーはある種の懐かしさを覚えるほどではないだろうか。
全体に漂う古風なRPG感
ストーリーはそこそこに拠点となる町(のようなエリア)を中心に好きなステージを攻略していくシステムはまさに昔ながらのRPGそのもの。
キャラメイキングが自由なおかげで主人公の設定なども公式では特にない。プレイヤーのイメージするキャラクターを作り上げ、それを操作する楽しさはまさにクラシック。
賛否両論点
独特のボタン配置
デフォルトでは弱攻撃がR1、強攻撃がR2となっている。さらに□はアイテムの使用、R3(右スティック押し込み)がロックオンと極めて独特。
慣れるまでは他のアクションゲームとのギャップに様々なコマンド入力の暴発が多くなる。
キャラクターの動きが遅い
デビルメイクライ、ベヨネッタ、ニンジャガイデンのようにアクションに重点をおいたゲームと比較すると主人公の動きは極めて鈍重。
とは言えスタミナシステムから見て取れるように、そもそも高速で様々な入力を連続的に要求するような爽快感重視のアクションゲームを目指して作られていないのでこの批判はお門違いとも取れる。
象形文字のようなパラメータ表現
ステータス画面や装備画面では、各種パラメータを示すために様々な記号やマークが使われる。
攻撃力であれば剣、防御力であれば盾のように視覚的に判りやすいものを使いそうなものだが、このゲームには何とも言えない謎のマークが跋扈している。
表現が生々しい
生理的な嫌悪感の演出の一環なのか、洋ゲーへのオマージュなのか雑魚敵に昆虫系が多い。巨大な昆虫たちはやたらリアルなので、虫嫌いには絶対にお勧めできない作品となっている。
また、倒した敵は消滅するのではなくやたらペラペラの紙のような死体になる。何が問題かと言うと、キャラクターの移動によって死体が足にひっかかったり不自然にバウンドしたりするのだ。
これが人間タイプの敵ならまだ良いのだが、虫系の敵がこれになると生理的嫌悪感は最高潮に達する。
色々な意味で暗い
明るいBGMや風景は皆無で、ネタ武器や要素も皆無(一応キャラモーションが可愛かったりするが)。ボス戦以外に目立ったBGMはなし。
落下死リスクが高いゲームなだけに、暗いところを探索中に暗さで下が見えず落下というパターンは多い。明るさ設定は最大にしても問題ないレベル。
ロードが長い
死にゲーとして致命的な欠点。とはいえ探索範囲が広いので致し方ない部分ではある。