
ドラゴンクエストVII Reimagined -Switch2
無印ドラクエ7を100時間以上かけてクリアしたGENが、この度リメイク7を手に取った。
先日裏面・DLCまでクリアしたので感想を述べる。結論から言うと「かゆいところに手が届く80点」であった。
※ネタバレを含むため閲覧注意
作品概要
平和な島「エスタード島」で暮らす主人公、キーファ、マリベルは島にある遺跡を調査する。不思議な石板を台座にはめると別世界に飛ばされてしまう。
もともとはPSにて2000年に発売されたドラクエ7を令和にリメイクしたもの。
タイトルにReimagined(再考された)とあるように、時代に合わせてストーリーやシステムがつくりかえられている。
登場人物紹介
主人公
DQ史上最も素朴で受動的な主人公。
漁師の息子として、平穏な生活を送っている中王族の息子にそそのかされて冒険の旅に出る。
ドラクエ界でもトップクラスに平凡なビジュだが、ちゃんと強力な技も覚えるし重装備も可能。
キーファ
王族の息子で主人公とマリベルとは幼馴染。マリベルとは違った意味で積極的で、いわゆる陽キャ。
DQ7を賛否両論にした諸悪の根源の1つ。
キャラデザ・言動・行動どれをとっても主人公を超えてしまっており、7はサブタイトルをキーファの大冒険にしても差し支えないレベル。
フルボイスやイベントが追加された本作ではよりキーファが目立ちやすくなっている。
戦士タイプの火力マシンとして序盤から重宝するのだが…(後述
マリベル
今作で一気に評価を上げたツンデレヒロイン。言動は粗暴で主人公やキーファを常に雑に扱い女王様ポジションに居座る。
ツンデレキャラは無印発売当時は非常に珍しかったのもありDQファンの間でもマリベルの評価は賛否あったが、令和にリメイクされたマリベルは非常に人気が高く、まさに時代を先取りしていたキャラと言えよう。
無印では途中離脱する場面があったのだが、今作では主人公との回想エピソードが追加されより結束を高めるシーンとして昇格。
仲間との「はなす」コマンドではマリベルがプレイヤーに代わって突っ込みを入れてくれることが多く、非常に助かる場面が多い。
走り方は完全にア●レちゃん。
ガボ
6までのドラクエの世界ではいそうでいなかった野生児の仲間。
グラフィックが向上した今作では常に狼に乗っている状態が描かれ、戦闘勝利時の演出として狼の首元をわしゃわしゃしてくれる(かわいい)。
他の仲間たちから異常に慕われている。
ゲーム内で視覚的に描写されることは少ないが、仲間の話すコマンドでガボが可愛がられているエピソードは多数聞くことができる。
アイラ
キーファの子孫にしてお姉さんポジの戦士キャラ。
無印では剣の舞が猛威を振るったが、今作では特技習得が容易なため若干アイデンティティが失われた。
ストーリーではキーファからのお歳暮渡し役としても活躍。
メルビン
仲間になる直前ムービーがピークの伝説の勇者。老いたが流石は英雄、どのポジションでも戦えるパロメータは健在だが、加入時の他のメンバーと比べると即戦力にはなりにくい。
今作は補欠にしてもマリベルの家に常駐することなく、(画面外ではあるが)パーティメンバー候補として参加してくれる。
メルビン大幅パワーアップイベントみたいなのが本編で追加されればもう少し使用率も上がった気がする不遇キャラ。
良い点
グラフィックの向上
ドールルックと呼ばれる特殊な技法で描かれるDQのキャラたちは非常に愛くるしく、今作の世界観ともマッチしている。
箱庭のようなフィールドを駆け抜ける爽快感はほかのドラクエにはないもので、移動がほとんど苦にならない。
モンスターのグラフィックもすばらしく、一挙一動側にドラクエらしさを感じさせてくれる。
初戦までが早い
7はDQにしてはめずらしく世界が平和な状態からはじまる。主人公たちは探索を進める中でモンスターにはじめて遭遇して初戦闘となるのだが、無印版ではこれに約1時間かかっていた。
今作では30分程度まで縮小している。
序盤から多彩な技を繰り出せる
無印7ではダーマ神殿に行くまでいわゆる無職のため特技や呪文を覚える頻度が低かった。
今作では全キャラ最初から職についており、その職に応じた技やバフを覚えていく。
これにより序盤から戦い方のバリエーションが圧倒的に増加、戦いを盛り上げてくれる。
頼もしいNPC
無印でもいた直接指示は出せないが戦闘で助太刀してくれるNPCは今作も健在(なんなら増えている)。
グラフィックと専用の台詞も追加され存在感が増し、ゲームに彩りを加えている。
楽になったアイテム探し
ストーリーを進めるうえで必須になる石板は、無印7では序盤ノーヒント。ダンジョンの宝箱や町の民家にひっそり入っていたりするので、隅々まで探索しないとシンプルに詰むことが多かった。
リメイクでは、石板の位置をグラフィックで可視化(人のサイズぐらいに大きくした)。さらに未発見の石板がどこにあるのか漠然としたヒントをいつでも確認できるようになった。
コレクター要素の小さなメダルも同様で、「この世界ではまだ見つかっていないメダルがあるぞ」という情報をステータス画面から確認可能。
イベントシーンはフルボイス
ドラクエといえば「主人公がしゃべらない」だが、イベントシーンでは仲間たちがフルボイスでしゃべりまくってくれる。賛否ある演出だが、今作のフルボイスによるムービーシーンは世界観とあっており非常に見やすい。
ガボをはじめとする仲間キャラたちの細かい表情と声の描写はシンプルながら感動もの。
当時FFと比較されていたムービーシーンも令和の時代に美しくスケールアップ。
操作性・快適性の向上
無印7と比べると別作品レベルでストレスフリーになっている。
フィールドやダンジョンを歩く際に敵が表示され接触すると戦闘になるシンボルエンカウント方式。
フィールド上の敵を直接攻撃することも可能で、レベル差がある場合は得られる経験値は少ないものの一撃で倒すことが可能。
バトルスピードも超はやいにすると本当に目にもとまらぬ速さとなり、サクサク進めることができる。
最近のDQではおなじみだが、敵の体力が減ってくるとこちらと同様名前表記がオレンジ・赤に変わったり、敵の属性耐性が表示されたりなど(技を選んだ時に効果が高いか低いかわかる)コマンドを選びやすくなった。
アイテム欄は完全共有となっているため、ふくろからその場で任意のアイテムを戦闘中使うことができる。
極めつけはダーマ神殿。攻略後はなんとリモート転職が可能。ダーマ神殿にルーラで行かずともその場で職業を変えられる。ほぼバトル鉛筆。
さらに職業のかけもちも可能で勇者になりながら戦士を兼任するといった立ち回りが可能。これにより戦略性が大幅に増加した。
マップにもアイテムや階段の位置など細かく表示され、PS時代と比較すると快適性は圧倒的に向上している。
悪い点・賛否両論点
インターフェースの変更
黒バックに白文字ウィンドウというドラクエらしさのあるインターフェースを一新。
今作からドラクエをはじめたユーザーにはまったく問題なくむしろ快適だが、これまでのドラクエに慣れている層にとって、はじめのうちはステータス画面は特に使いにくく感じる。
一部エリアの削除
石板を使って行ける新たなエリアのうち、ストーリー上で削除された箇所がいくつかある。
そのエリアのボスが中ボスとして襲い掛かってくるシーンがあるが、ストーリー上の文脈は一切ないので今作のみ遊んだ層はボスであることすら気づきにくい仕様。
ボリュームの減少
元祖PS版は100時間程度かかっていたのに対して、今作は50時間弱あればDLC含め裏ボスまで遊べてしまう。
これは難易度低下・インターフェース向上・シナリオカットという3つの要因が合わさった結果であるが、令和のゲームとしてクリアまで100時間ユーザーに使わせるのは危ういという判断だったのならこれはひとつの正解とも言える。
難易度の低下
前述のとおりNPCが強いのに加え、主人公たちの序盤からの技の多さ・敵情報の詳細な表記など他戦いやすい条件がそろっている。
謎解きもマップによる情報量が増えたほか、シナリオが簡便になりお使い要素が減ったことで理不尽さも減少。
クリア後の歯ごたえのあるダンジョンやボスは存在するが、本編の難易度は総じて下がった。
一部キャラの扱い
原作でも批判の的となったキーファ離脱のくだりが悪い意味でスケールアップ。
簡単に言えば「好きな人ができたので、俺は残る。後は頑張ってくれ。おやじへの伝言もよろしくな」である。サークルクラッシャー極まれり。
キーファの恋敵となるジャンの扱いもひたすらにひどく、ただただジャンがみじめになる描写が続く。
初見では火力のあるキーファに種を使わせるムーブをやりがちなので、無印ではこのシーンは「種泥棒」と揶揄された。なんなら今作の宣伝シーンにはキーファが種を食べるくだりが入っている(公式もネタにしている)。
終盤に再登場してほぼダンテなイケオジとなり主人公たちと共闘してくれるという熱い展開を見せるが、画面上エモくなってるだけで身勝手さは解決していない。
かゆいところに手が届かないグラフィック
主人公たちの武器や防具といった装備品が一部グラフィックに反映される仕様となっている。
しかし反映されるのはメインウェポンと盾くらいなもので、よろいや兜など一番個性の出る部分はノータッチ。
過去に発売されたドラクエ11では今作以上にキャラビジュアルに反映されていただけに、残念な部分である。
また、ドールルックやジオラマ風フィールドについてもあくまで7の世界観にはマッチしていたという表現が正しい。
たとえばドラクエ8はメインキャラに大人・長身が多い関係で、人形風の造形にすると世界観が変わりかねない。
暗いシナリオが多い
人の醜い部分や汚い部分をしっかりと描くストーリー展開が続く。
無印7でも言われていたが、いわゆる鬱ゲー要素が強い。
とはいえあまりにも救いのないエピソードに関してちょいちょいテコ入れが入ってたりする。
宝箱のわかりにくさ
鍵のかかった宝箱をおなじみの「盗賊の鍵」「魔法の鍵」「最後の鍵」で開けていくことになるのだが、血迷ったのか宝箱のグラフィックは1種類。
つまり開けられなかった宝箱はどのカギで開けられなかったのかを逐一覚えておくかメモるしかない。アプデで改善されると良いのだが。
バグの削除
面白いバグと救えないバグ両方が削除されている。
たとえばダーマ神殿内のエンカウントで「フライングデビル」という強敵と戦える(本来はもっと先に登場する雑魚キャラ)バグは削除されている。
序盤の強敵デスマシーン戦のフリーズバグ(めちゃくちゃ大事でリセットすると大幅に戻されるところだったので当時トラウマとされた)がなくなっている。

